生成AI時代に改めて考える、HP&SNSコンテンツのつくり方

見学会・イベント情報・施工事例紹介・ブログ・コラム・モデルハウス案内など、自社ホームページやSNSに掲載するさまざまなコンテンツのテキストや画像を、生成AIに頼って作成するビルダーが増えてきました。これまで新たな見学会や施工事例をホームページへ掲載するたびに頭を悩ませてきたWEB担当者にとって、生成AIはまさに救世主です。
生成AIによるコンテンツ作成を自社の集客につなげるためには、人の手によるブラッシュアップが欠かせない。言うまでもないことではありますが、生成AI活用において重要なのは「学習」であり、適切な学習のうえで利用すれば、集客強化においても業務効率化においても協力な武器となり得ます。一方、ビルダーのホームページを見ていると「AIに任せきり」と思われるコンテンツが散見されるのも事実。人の目によるチェックが行われていない、もしくは不十分である結果、訴求したい内容が不明確であるケースや、生成AIで問題視されがちなハルシネーション(誤情報)がそのまま掲載されているケースもあります。
このようなコンテンツではファン化・集客につながらないどころか、AI活用前よりブランド価値を毀損したり、反響数を減らしてしまうリスクすらあります。では、担当者はコンテンツ作成のうえで何をチェックすれば良いのだろうか?。代表的な視点を4つほど紹介します。これらのポイントの大半は、生成AIが普及する以前からのコンテンツ作成の要点として繰り返し述べてきたものであり、その方法が「自己作成」から「生成AIとの共作」へ変わっただけであることも伝えておきます。
1.住宅に詳しくないお客様にも伝わる分かりやすい表現か
WEBで住宅関連の情報を探しているお客様の大半は、検討の初期段階にあります。このような方々は住宅・建築・不動産の初心者であり、業界の常識と思われがちな専門用語や慣例を知らないことが多い。「最近のお客様は良く調べているから専門用語も知っている」とみなす向きもあるが、WEBで情報収集しているお客様はまさに知識の吸収段階、「良く調べている」手前の段階です。
このようなお客様に対して、当然のように専門用語を並べ立てたコンテンツを提示しても「分からない」と敬遠されてしまう可能性が高いでしょう。特にWEBの場合、対面営業のようにその場で営業担当者による補足説明ができないため、伝わらない表現は特に注意が必要です。生成AIのコンテンツは「初心者」の視点でチェックし、難解な表現は言い回しを変えるか、もしくは簡単な説明を添えるようブラッシュアップが必要です。
2.自社の特長・セールスポイントがお客様に伝わるように書かれているか?
学習が不十分な生成AIによって作成されるコンテンツにありがちなのが「一般的な情報のみ書かれていて自社の特長やセールスポイントとリンクしていない」というケース。制震に対応していないにも関わらず制震について詳しく触れるコンテンツを掲載するなど、自社の特長と相反する内容をそのまま掲載してしまうケースすらあります。自社のアピールポイントを正しく認識させたうえで、訴求の優先順位や掲載情報の取捨選択に反映させることが求められます。例えば、ブログ・コラムであれば一般的な住宅知識の話であっても必ず自社特長とリンクした内容にする、施工事例の説明テキストであれば自社特長と合致する部分は優先的に訴求する、などの工夫が必要でしょう。
生成AIに学習させている場合も自社の商品名や独自仕様を活用してしまうケースには注意が必要です。このような言葉も「専門用語」の一種であり、多くのお客様は知らない言葉であると認識しておきたいです。
3.コンテンツの訴求内容に適切な"強弱"があるか
前述の自社特長も含め、生成されたコンテンツの訴求ポイントと優先順位付けが適切であるかも確認したいです。例えば完成見学会の告知テキストであれば、建物の見どころや自社特長との関連性、開催日時・開催地、来場特典の内容などは優先順位が高く、逆に「現地の駐車場は...」「小さいお子様をお連れの方は...」などの諸注意は優先順位が低い。説明してしまえば当たりまえのことだが、これらの確認が疎かな生成コンテンツは、これらの全てが同列に書かれており「何を言いたいのか分からない」になってしまう。また、優先順位が高いはずの訴求内容がそもそも記載されていないケースもある。やはり、人の目による確認とブラッシュアップは必須です。
また、広告などのバナーを生成AIで作成するケースも増えているが、こちらも訴求に強弱が無く要点がぼやけていたり、訴求すべきテキストの文字が小さく広告として機能しないケースもある。例えば完成見学会のバナーであれば開催地名や「見学会」のテキストを強調するなどの工夫が求められます。
4.お客様のアクションにつながる"仕掛け"はあるか
自社のホームページやSNSの最大の目的は言うまでもなく「お客様の獲得」であります。そのため、あらゆるコンテンツは(無理のない形で)来場予約やカタログ請求、もしくは関連する他のコンテンツはの回遊を促すことが望ましい。例えば、ブログ・コラムであれば、GX-ZEHに関する記事からGX-ZEH仕様のモデルハウスへの来場予約を促す方法、施工事例であれば、事例フォトアルバムの請求促進や、もしくは類似する他事例ページへの回避を促す方法が考えれます。
先程「コンテンツ確認は住宅初心者の目線」とお伝えしたが、同時に「反響を獲得したい集客担当者の目線」も必要であり、「このコンテンツからお客様のランクアップを実現できるか」という観点でのチェックを欠かさないようにしたいです。これらチェックとブラッシュアップの有無が「ファン化・集客アップにつながるコンテンツ」と「ただ生成AIに作らせただけのコンテンツ」との分かれ目となり、集客成果を大きく変えるでしょう。近年しばし議論される「AIによって淘汰される企業・人材」も、もしかしたら、このような部分が左右するのかもしれません。
※株式会社住宅産業研究所「TACT」参照

