WEB施策、InstagramとYouTubeに偏りすぎていませんか?

WEB施策、InstagramとYouTubeに偏りすぎていませんか?

1.ホームページは「反響獲得の媒体」SNS単体での集客は現状困難
ホームページが重要である最大の理由は「自社に関心のあるほぼ全てのお客様が来訪し、反響獲得につなげる媒体である」という点です。SNSが認知・ファン化に長けていることは言うまでもありません、特に認知度獲得はホームページよりSNS(あるいはWEB広告・マスメディア)のほうが長けている。一方で、SNSがホームページを介さず単体で反響を創出することは、現状ではほとんど無い。SNSで自社に関心を持ったお客様の99%は、ホームページに訪問して情報をより深堀りし理解を深めたうえで、来場予約・カタログ請求に至るのです。

そのため、どれだけSNSで自社の魅力を高めても、ホームページにおいて更なるランクアップができなければ、反響・来場にはつながらないのです。実際、SNSで多くのフォローワーを獲得しているビルダーが、肝心の反響獲得に苦戦しているケースは珍らしくないのです。このようなビルダーはおそらく、ホームページ上でお客様のランクアップに失敗していると思われます。「いづれSNSのみで集客が完結する時代が来る」という意見もあり、実際にSNSのみで来場に至るお客様も無いわけではないが、現状ではごく少数であり、このような意見が聞かれるようになった5年ほど前から現在に至るまで大きな変化は見られません。

もちろん将来的に潮目が変わる可能性はあるものの、少なくともあと数年は、ホームページが反響創出装置となる時代は続くでしょう。このような状況では、やはりホームページを後回しにすることは許されません。さらに、お客様が自社を知るきっかけはSNSだけではなく、検索エンジン・WEB広告・紙媒体・紹介・看板など多種多様です。ホームページはこれらのお客様のランクアップにもつながる媒体であることを忘れてはならないのです。

2.リソースが限定的なビルダーこそSNSへの過度な傾倒に注意
SNSへの過度な注力を特に注意したいのは、少人数のチームでWEB集客に取り組むビルダーです。リソースが限られるため施策の優先順位付けは必須であり、重要施策であるホームページの改善や日々の情報掲載には相応のリソースを確保しなければなりません。ところが実際には、リソースの大部分をSNSに割いている会社が見受けられます。このような会社のホームページは「SNSとホームページの情報に齟齬がある」「新着情報の更新が数ヶ月ストップしている」「掲載情報の誤りや誤字脱字が多く説明も分かりずらい」など、SNSとの落差を感じるものが少なくない。WEB集客チームや担当者にとってホームページの優先順位が低く、情報掲載・更新が(意地悪な言い方だが)片手間の作業と化しているのかもしれません。

繰り返しになりますが、SNSへの取り組み自体が悪いわけではなく、むしろ必要な施策であります。しかし、SNSにリソースを割き過ぎた結果として肝心のホームページが後手に回ってしまうと、本来の目的である見込み客獲得に繋がらず、本末転倒です。前述のような「SNSは好調だが反響は苦戦」という状態に陥っているビルダーは、リソース配分の見直し(もしくは人的リソースの増強)により、ホームページと向き合う時間を増やす必要がありそうです。会社によっては、担当者自身が「SNSのフォロワーを増やすこと・多くのリアクションを獲得すること」のみに注力してしまうケースもあり、その場合は上席者による適切な目標設定が求められます。

3.ホームページ改善も低コストで可能 集客戦略全般における適切なリソース配分を
ホームページ改善に消極的な会社の意見として良く聞かれるのが「どこを改善すれば良いのか分からない」「コストが掛かるので手を付けにくい」という2つ。ホームページの具体的な改善方法は以前紹介したこともあるので今回割愛しますがいわゆる全面リニューアル以外にもできることは多く、わずかな改善が大きな成果を生むことも珍しくない。例えば「毎月開催している完成見学会の案内ページの訴求内容見直し」や「施工事例紹介ページへの新規事例掲載、既掲載事例の写真追加や説明テキスト修正」もホームページ改善の一環です。

また、SNSにおいてユーザーリアクションを参考に投稿内容の見直しを行うのと同じように、ホームページも分析ツール(Googleアナリティクスなど)を利用して現状を把握し、お客様の反応が良いページを参考に類似したコンテンツを制作したり、反響獲得のネックとなっているページを重点的に見直す方法も有効です。気になるコスト面も、前述したような掲載内容の見直しであれば、ホームページの管理体制により異なるものの、直接的なコストが発生しないケーズが多い。

また、ホームページ制作会社に改修を依頼する場合も、全面リニューアルや大規模な改修は相応の費用が必要となるが、「カタログ請求ページへの誘導するボタンの見直し」「来場予約キャンペーンページのデザイン変更」といった改修であれば、制作会社や改修内容により異なるものの数千円~数万円で実施でき、かつ反響数を改善できる可能性があります。

そして忘れてはならないのが、一部で"低コストな集客手法"とみられることがあるSNSも、活性化には人件費・外注費など相応のコストを要するということ。集客数を最大化するには、特定の施策へ過度に傾倒せず、WEB以外も含めた集客戦略全般における適切なコストとリソースの配分が必要です。

                         ※株式会社住宅産業研究所「TACT」参照