WEB担当だけではない"社内全体"の情報発信力アップを

WEB担当だけではない"社内全体"の情報発信力アップを

今回は、WEB反響・来場を増やすために必要な社内全体の情報発信力について、WEB担当・広告宣伝担当の頑張りだけでは不十分であり、全社的なスキルアップが必要であることをお伝えします。
特に「ホームページの見栄えは悪くないが、反響・来場が伸び悩んでいる」という会社には参考にしていただきたいです。

1.営業現場などが発信するイベント・見学会お客様の来場意欲を高める情報品質が必要
例えば自社ホームページの場合、掲載コンテンツの全てをWEB担当者が管理しているとは限りません。骨格となるコンテンツ(特長紹介・施工事例など)はWEB担当が主体となって制作しているが、イベント・見学会・キャンペーンの告知や、モデルハウスのみどころ紹介などのコンテンツは、営業現場などが掲載情報を取りまとめたり、ホームページへの掲載作業を行うケースが珍しくないのです。

残念ながら、現場サイドで作成したこれらのコンテンツには、お客様に分かりづらく、自社の魅力を十分に伝えきれていないものが目立ちます。

誤字脱字・情報の誤り・写真と情報の不一致といった単純ミスも散見されます。現場スタッフが手を抜いているとは思わないが、お客様向けのコンテンツとしては不十分と言わざるを得ません。特長紹介・施工事例がお客様のファン化を促すコンテンツである一方で、イベント告知・モデルハウス紹介は、お客様の来場予約に直結するコンテンツです。せっかく自社のファンになっていただいたお客様も、来場促進コンテンツに不備があれば、最終段階で取りこぼすことになりかねない。だからこそ、情報を掲載する営業現場などでも、情報発信力の向上が求められるのです。

とは言え、一流の広告代理店やライターのように華美な表現を追求する必要はありません。お客様に自社の魅力を伝える最低限の配慮を徹底すれば、発信力は格段にアップします。

たとえば建物写真。プロカメラマンによる撮影が入らない場合も、近年はスマートフォンでそれなりに綺麗な写真を撮ることが可能です。「天気が良く明るい時間帯に撮影する」「画角はできるだけ広く」「傾きに注意する」などの基本事項を遵守するだけでクオリティはかなり変わるでしょう。曇りの日に撮影した外観写真や薄暗い室内写真では、お客様に「見てみたい」と思っていただくことは難しい。また、完成済みの現場のはずなのに建物写真が無い...という見学会報告もよく見かけるが、本気で集客を考えるのであれば現地での写真撮影は必須です。

文章によるイベント説明・見どころ紹介も重要です。「自社に興味はあるものの、まだ足を運んだことがない」というお客様がご覧になっていることを想定しながら、できるだけ分かりやすい表現を心掛けたい。自社の商品・仕様の名称や住宅産業の専門用語などを多用する文章は、お客様にとって分かりにくく、訪問意欲を損なう可能性がある点は注意が必要です。また、予約方法・予約特典・感染症対策といった基本事項ももれなく明確に記載したいです。基本事項は担当者にとっては見慣れた文章だが、お客様にとっては初めて目にする文章であるため、毎回丁寧な説明が求められます。

一見、当たり前のことと思われるかもしれないが、実践できていないイベント情報・モデルハウス情報は非常に多いです。そして繰り返しになりますが、これらの情報は反響数・来場数を大きく左右するものです。情報の発信元となる営業現場などの意識改革は必要でしょう。

また、WEB担当も、他部門が発信する情報の品質をチェックする仕組みや、発信力向上のための啓蒙活動を行うべきです。
その他のホームページコンテンツでは「スタッフブログ」も改善が必要な会社が多いと思われます。一般的にブログの目的は「家づくりを検討するお客様のファン化・来場促進」であり、目的に合わせた記事を書くことが求められるので、家づくり初心者のお客様には難解な専門用語の羅列や、住宅とは無関係な社内の内輪ネタに終始する記事は、目的達成のためにはマイナスになりかねません。
せっかっく手間と時間を掛けて執筆するのであれば、集客にプラスになる記事を書くように心掛けたいものです。これも、執筆する担当者の意識改革・WEB担当の啓蒙活動ともに求められることでしょう。

2.カタログ請求→来場促進、全ての営業担当が最低現のメールスキル習得を
ホームページだけではありません。「カタログ請求のお客様に対する追客」も、同様のことが言えます。自社への関心を持ったうえでカタログ請求などに至ったお客様に対し、印象を損なうような対応をしていないか、改めて検証が必要です。
ホームページに「しつこい営業はしません」と書いているにもかかわらず、営業担当者がお客様の携帯電話に架電をくりかえしていたら、(営業側「しつこい営業ではない」と思うかもしれないが)ネガティブな印象を抱くお客様は多いでしょう。メールでコンタクトを試みる際も、ホームページコンテンツと同じく、難解な言葉・表現を避け、お客様に分かりやすい説明が必須です。

例えばイベント・見学会に誘致する場合は「この文章でイベントの良さが伝わるか」申込みフォームまで問題なく進むことができるか」を意識しながら書くだけでも、伝え方は大きく変わるでしょう。繰り返しになりますが、必要なのは「プロ並みの文章力」ではなく「伝わる文章力」なのです。

インサイドセールス導入による対応の一元化が最も好ましい方法ですが、その場合も営業担当者は最低限のメールスキルを身に付けるのが望ましいです。インサイドセールス担当が質の高いメール対応を行っても、引き継いだ営業担当の対応に問題があり商談に至らなかったという失敗例が珍しくないからです。

WEB上でお客様と接点を持つのは、WEB担当者だけではない。接点を持ち得るスタッフすべてが情報発信力を高めなければ、集客のゴールとなる「来場」を増やすことは難しいでしょう。

                            ※株式会社住宅産業研究所「TACT」参照