来場予約・イベント申込・カタログ請求どれを強化する?

来場予約・イベント申込・カタログ請求どれを強化する?

最近の全国ビルダーホームページの実績を見てみるとアクセス数が前年より大幅に増加したにも拘わらず、反響数は前年比で微増に留まっている。お客様のWEBによる会社選びがシビアになる中、自社ホームページでいかにお客様をファン化し、反響に結び付けるかがこれまで以上に重要となります。今回は「反響」にフォーカスを当て、ビルダーの主な反響タイプ別に獲得数を増やすためのポイントを解説いたします。

●来場者:HP情報の充実でマインド向上、来場特典は"条件"の十分な検討を
多くのビルダーにとって獲得の優先順位が最も高いのは、反響がそのまま来場・商談に直結する「モデルハウス来場予約」だろう。来場予約を増やすための絶対条件は「ホームページ内のモデルハウス情報が充実している」こと。わずかな写真・所在地・営業時間だけでは、お客様の来場意欲を高めることは難しい。豊富な写真に加え、テキスト・間取り・動画・VR・常駐スタッフ紹介など出せる情報を総動員し、お客様のマインドを高める工夫が必要です。近年、来場予約に関して多くのビルダーが頭を悩ませているのが、来場特典の金額高騰です。

過度なバラマキはおすすめしないのですが、一方で、お客様の来場を促す"最後のひと押し"に一定の効果があることも否めません。最近では、来場特典の条件を「来場1,000円+条件クリアで5,000円=最大6,000円」のように2段階に分けるビルダーが増えてきた。"条件"は、来場前のアンケート回答・見学会参加・プラン依頼・事前審査申込など、会社によって様々です。ビルダー側としては条件ハードルを上げたいところですが、高すぎるハードルは来場予約数の減少・次アポ率の低下を招くおそれもあります。自社の「得意な商談パターン」に持ち込みやすい最適な条件を十分に検討したいところです。

●イベント:見学会は早期掲載+中身濃い情報見学会少ない場合は常設イベントも選択肢
見学会・セミナー・相談会など各種イベントへの参加申込も、モデルハウス来場予約と同等の価値がある反響です。特に常設モデルハウスの少ない会社は積極的に獲得したい反響です。最も申込につながりやすいイベントは、やはり見学会です。ホームページには、モデルハウス紹介と同じく建物の詳細・見どころを可能な限り掲載し、参加意欲を高めることを意識したいです。近年は完全予約制の見学会が増えているため、予約の受付窓口となるホームページの発信力が非常に重要です。にも拘わらず、モデルハウス情報に比べると見学会情報は内容が薄くなるビルダーが多いので、注意が必要です。

また、集客の成功において大切なのが「ホームページへの早期掲載」。お客様への周知・メルマガなどでの告知・WEB広告への展開などを考慮すれば、遅くとも開催日の3週間前までには掲載を開始したい。ホームページであれば、当初は最低限の概要のみを記載し、後から情報を追加することも可能です。
見学会の開催数が少なく、セミナーなどの他イベントも開催が難しい場合は、ホームページ上に「住宅ローン相談会」「土地探し相談会」「オーナー様邸ご案内会」など複数の"常設イベント"を設ける方法もあります。見学会に比べると反響数は少ないものの、ある程度の申込は獲得可能です。

●カタログ請求:電子カタログ活用が増加、件数増を狙うならランクアップ強化は必須
カタログ請求は、来場予約の増加によって優先順位を下げている会社も多いです。だが、現時点で一定数の来場予約を獲得しており、かつ、来場予約数の頭打ちを感じているビルダーであれば、カタログ請求の拡充も検討するべきです。近年はビルダーでも「電子カタログ」を採用する会社が増えています。電子カタログは紙に比べると、お客様への到着スピードが早い・低コスト・内容のアップデートが比較的容易であるなど、メリットは多いです。

さらに、電子カタログであればお客様の住所・電話番号が不要になるため、請求フォームの項目を大幅に削減でき、反響数の増大も期待できます。ただし、電子カタログは「お客様の手元に残らない」というデメリットも存在するため、紙カタログも継続したほうが良いでしょう。また、紙・電子を問わずカタログ請求の獲得強化する場合は"ランクアップ施策の強化"もセットで取り組むことが必須です。モデルハウス来場はもちろんのこと「紙カタログの請求」「オンライン相談の申込」などさまざまな選択肢を用意し、メール・郵送物などを通じた継続的なアプローチが求められます。これらの施策を怠ったまま闇雲にカタログ請求数を増やすと、10年程前に多くのメーカー・ビルダーから聞かれた「反響はあるけど全く来場につながらない」状態に逆戻りしてしまう可能性があります。

反響タイプ別・獲得件数アップのポイント
【モデルハウス来場予約】多くのビルダーにとって最も優先度高い
・絶対条件はHP内のモデルハウス情報が充実していること。掲載可能な情報は総動員
・来場特典は金額が高騰傾向も、お客様の"最後のひと押し"に効果がある点は否めない
・事前アンケート回答・次アポ獲得など、2段階での得点付与が増加。条件は十分な検討を
【イベント申込】来場予約と同じく「会える反響」、常設モデル少ない会社は特に注力を
・申込につながりやすいのは見学会、HPではモデルハウスと同等の情報充実を
・必要な集客期間を考慮すれば、遅くとも開催日の3週間前までには掲載
・イベントが少ない会社は"常設イベント"も選択肢(相談会・オーナー様邸ご案内会など)
【カタログ請求】来場予約に頭打ちを感じる会社は拡充の価値あり
・電子カタログが増加。請求時に住所・電話番号の入力省略により反響数増大
・電子カタログのデメリットは「お客様の手元に残らない」こと。紙カタログも継続を
・紙・電子問わず、カタログ請求強化の際は"ランクアップ施策の同時強化"が必須

                            ※株式会社住宅産業研究所「TACT」参照