新「Googleアナリティクス」データを見る際の注意点

新「Googleアナリティクス」データを見る際の注意点

このブログでたびたびお伝えした、ホームページ分析ツール「Googleアナリティクス」新バージョンについて、7月1日に旧バージョン(ユニバーサルアナリティクス、以下「UA」)は事実上終了し、新バージョン(Googleアナリティクス4、以下「GA4」)へ完全移行した。現在もUAを使えるケースが一部あるようですが、おそらく近いうちに停止される可能性が高いです。今月から本格的にGA4を利用するWEB担当者も多いと思われます。そこで今回は改めて、UAとGA4の主な相違点・データを見る際の注意点を解説します。

1.新旧バージョンの「数字ズレ」は必至アクセスは従来より少なく表示される可能性大
まず気をつけたいのが「UAとGA4は、同じ指標でも数値のズレが発生する可能性が高い」という点。特にアクセス数を示す指標(ユーザー数・セッション数)は、UAよりもGA4のほうが少なく表示されることが多い。

WEB担当者がアクセス数を社内報告する際は、数値の相違について説明必要があります(報告を聞く側も、この点はご理解いただきたい)。ちなみに、数値がズレる理由は大きく2つ。1つは、UAとGA4は異なる方法でデータ収集や集計を行っているというシステム上の理由。もう1つは、UAとGA4で「指標の定義」が異なるケースがあるという点です。後者については、代表的な例を別表(前項)にまとめています。

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2.お客様の"じっくり閲覧"度合いを測る2つの新たな指標
GA4では新たな指標も多く登場している。ただし、住宅会社では使う可能性が低い指標も多いので、全ての指標を理解する必要はない。

住宅会社のWEB集客改善において活用頻度が特に高そうな指標は「エンゲージメント率」と「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」の2つ。いずれもホームページに来たお客様が"じっくり閲覧しているか"を測るための指標です。

「エンゲージメント率」はホームページに訪問したお客様のうち「2ページ以上閲覧した」「10秒以上閲覧した」など、一定の行動を行ったお客様の割合を示す指標。一般的には数値が高いほど、ホームページ内をじっくり見ているお客様が多く、好ましい状態であると言える。

UAでは「直帰率」という指標でお客様の行動を測っていた会社が多いが、GA4では直帰率を廃止予定だったという経緯もあり、今後はエンゲージメント率が主流になる可能性が高い。なお、直帰率は最終的にGA4でも採用されているが、UAとは定義が大きく異なる点に注意が必要。使い慣れた直帰率を無理に追い続けるよりも、新指標に切り替えてベンチマークした方が良いでしょう。

「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」は、1回のセッションにおいてホームページが「スマホやパソコンの全面に表示されていた時間」の平均値を示すもの。一般的には時間が長いほど、お客様がホームページを閲覧している時間が長く、好ましい状態と言えます。

こちらもUAで似た指標(平均セッション時間)が存在したが、UAではホームページが前面に表示されていない(他の画面の後ろに隠れている)時間も含まれていたため、GA4の新指標のほうが精度が高いと言えます。過去にも本連載でお伝えしてきましたが、GA4はUAに比べてより高精度のユーザーデータを取得・分析することが可能です。できるだけ早く活用方法を習得し、自社のWEB集客力アップに役立てたいところです。

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                           ※株式会社 住宅産業研究所「TACT」参照